
SS鉄道ブログ2017年5月19日付の記事で触れた京成上野駅のリニューアル工事についてですが、3月19日(火)に完了し、リニューアル記念式典が行われました。
(SS鉄道ブログ過去記事)
内装・照明・トイレが全面的にリニューアルされ、構内の色調がここ数年の間に改装工事が行われた京成の他駅と同様ホワイトとブラウン基調のデザインに統一されたほか、以前は階段があって利用しにくかったトイレの出入口が緩やかなスロープに変わり、段差が解消された模様です。
そのほか、改札にウォークインタイプのカウンターの新設や、幅広タイプの自動改札機の増設などが行われています。
店舗関連はエキナカではないものの改札外に従来からあるコンビニの「ファミリーマート京成上野駅店」に加え、カフェがフランス発の「デリフランス京成上野駅店」へと変わりました。
さらにドラッグストアの「マツモトキヨシ京成上野駅店」や、葛梵ャストアによるお土産店「GIFT KEISEI japanese SOUVENIR」が新たに出店しています。
ところで、今回のリニューアルにより個人的にもっとも驚いたのは、京成で初めて発車メロディが導入されたことです。
当ブログで取り上げたことがあるように、京成は昭和40年代に車内BGMを流していた点ではかなり先進的だったと言えますが、駅メロディついては今の今まで導入例がなく、接近メロディも含めると少なくとも関東の大手私鉄で音楽を流している駅がないのは京成が唯一と、その分野でもまた他に比べて大幅に遅れているとしか思えませんでした。
しかも子会社の北総鉄道や関東鉄道ではすでに導入例があるのにもかかわらず、親会社の京成はそのあたりまったく無関心といった印象で、鉄道も音楽もともに好きな管理人にとってこれはきわめて残念なことだったとしか言いようがなく、なんだったら管理人自身が作った何種類かのジングルを発車・接近メロディ用として京成に無償提供してもいいとさえ考えていたほどです。
また、せめて柴又駅ぐらいは映画「男はつらいよ」のテーマ曲による発メロを導入してもいいのではないかと以前から思っていたのですが・・・
それは現在北総の新柴又駅で流されているようですが、相応しいのはどう考えても寅さんのロケが何度も行われた京成柴又駅のほうでしょう。
まぁそれはとにかく、今回上野駅に導入された発メロは1〜4番線までのそれぞれと、イブニングライナー・シティライナーも含んだスカイライナー専用の5種類という凝りようです。
しかも東京藝術大学音楽学部において作曲・録音された音源だとはさらに驚きました!
その5種類の各発メロのテーマは以下の通りです。
■1〜4番線(スカイライナー発車時を除く)
【1番線】
「芸術」をテーマに、文化・芸術施設の集まる「芸術のまち」上野のイメージを、チェンバロやオーボエによるバロック音楽風の華やかなメロディーで表現しました。
【2番線】
「自然」をテーマに、上野公園の自然をイメージし、鳥達のさえずりをヴァイオリン・フルート・ファゴットの旋律によって、木々を渡る風をハープのグリッサンドで表現しています。
【3番線】
「歴史」をテーマに、寛永寺や上野東照宮など徳川家ゆかりの建築物に象徴される、日本の歴史と上野とのつながりをイメージし、シンプルに箏独奏の曲に仕上げました。
【4番線】
「科学」をテーマに、軽やかなリズムと木管楽器を中心とした響きにより、優しく呼びかけるような曲に仕上げました。サヌカイトという石や日本の音具の音も散りばめられています。
■スカイライナー発車時(イブニングライナー・シティライナー発車時も同様)
「旅立ち」をテーマに、「行ってらっしゃい」の気持ちをメロディーに込めました。歴史の街上野の「現代」を象徴する乗り物としてスカイライナーを表現するべく、日本の伝統楽器笙の和音を背景に使い、コンピュータで制作しました。
さすがに東京芸大だけあっていずれも知的なイメージの旋律という感じがするところです。
ただし発メロのあとに従来からのベルも鳴るとはちょっとズッコケますが、これは乗務員に発車可能になったことを知らせる合図らしいので、京成では仕方のないことなのでしょう。
なお、余談ながらこの京成上野駅の発メロ導入よりも前となる3月1日(金)より、押上線の四ツ木駅にてキャプテン翼の「燃えてヒーロー」のアレンジ曲が接近メロディとして導入された模様です。
従って京成の駅で初めて駅メロが流されることになったのは上野駅ではなく四ツ木駅ということになるわけですが、ここへきていきなり駅メロに目覚めた感じがする京成だけに、今後他の駅にも導入していくことに期待したいものです。
なお、京成上野駅リニューアルの詳細については公式PDFをご覧ください。
(京成公式PDF1・2)